Facebookがやっぱり流行らないと思うたった一つの理由

Facebookはやっぱり流行らないと思う。

こんなことを書くと、馬鹿じゃないかとか、もう流行ってるよとか、時代遅れとか色々言われると思います。たしかにそうかもしれない。なので一応条件をつけておくと「日本全体では」やっぱり一定以上には流行らないと思うのです。

そう思うのには、Twitterと違って匿名性がうんぬんとか色んな理由をつけられるだろうけれど、今回はちょっと違う切り口で書いてみます。
それは東京と地方の温度差、です。

東京と地方の温度差

Facebookがすごい、便利、みんなやってる、という人たち……そのうちかなりの人が東京在住な気がするのは気のせいでしょうか。もちろんアルファブロガーとか、声が大きい人たちが東京に住んでいる率が高いのは当たり前で、ある程度の偏りはあると思います。

にしても、あまりに偏りすぎている気がするのです。私は関西在住ですが、IT業界以外の人間に「Facebookしてる?」と聞いて回っても、せいぜい一人か二人しか返事がないように思えてしまう。

セカンドライフのときみたいに一部の人間だけが騒いでいるとまでは言わないですが、(日本では)東京だけが異様な盛り上がりを見せていて、他の都市や地方が置いてけぼりをくらっているように感じます。
これが言いすぎだとすれば、東京に追加して大阪など大都市圏を幾つか追加してもいいかもしれないですが、でもとにかく都市圏と地方にはかなり温度差があるように感じます。

Google Trendsを見てみる

で、この感想の裏づけとしてGoogleTrendsのデータを貼ってみます。
まず、Facebookの2010年・2011年のグラフを掲載します。

▼2010年

▼2011年

見てわかるように、Subregionsの項目では東京だけが異常なほど突出してます。

次に、こちらは普及したといっても過言ではないと思うTwitterのグラフ。

▼2010年

▼2011年

ご覧のとおり、Twitterは明らかにFacebookに比べて地域ごとの差が少ないです。
つまり、日本全体で普及していると言えます。

とはいえ、これだと「普及の途上にあるFacebookと、普及しきったTwitterを比較するのはおかしい」という意見があるかもしれません。
なので、Twitterの過去数年のデータも見てみます。

▼2009年

▼2008年

▼2007年

2006年以前はデータが取得できなかったですが、2007年まで遡ってみても、地域によって極端に大きな差が発生していないのが見て取れます。これは、日本全体のどの地域でも、Twitterというものが徐々に浸透していったことを示していると言えます。

日本人の多くは声を押し殺している

ここからは統計とかデータを用いた話ではなくて、個人的な意見になってしまいますが、日本人というのはなんだかんだいって、声高に自分の意見を主張することをしない人が大半だと思います。

彼らは普段は声を押し殺しています。Twitterやブログをしている人であっても、極端に政治的・宗教的な意見や主張をすることもなく、当たり障りのない話題を選び、あるいは小さなコミュニティの中で安穏としています。(念のために書くと、これが悪いと言っているわけではまったくありません)

この声を押し殺した人たちが使いたい感じるサービスかどうか、というのが日本でサービスが普及するかどうかの分かれ目だと思います。けれど、少なくともGoogleTrendsを見る限りでは、正直難しいんじゃないかな、と。

その原因がFacebookのどういう特徴に由来するのかはいまは議論しませんが、少なくともFacebookは、日本全体で広く受け入れられているわけではない、ということは知っておくべきです。

インターネットというのはどうしても、声の大きい人の意見ばかりが目についてしまうけれど、それは偏った常識でしかありません。(そしてもちろん、この記事だった偏りまくった一意見にすぎないですが)

というわけで、この温度差が解消されない限りは、Facebookは流行ってもせいぜい東京と一部の都市で盛り上がって終わりになる、と私は考えてます。

ちなみにFacebookですが、海外でも一様に誰にでも受け入れられているわけでもないようです。(これも偏った意見の集まりかもしれませんが)一応参考リンクを貼っておきます。
海外スレ「やはりフェイスブックは日本で流行らないようだ」- MHK魔王放送協会